クリスマスプレゼント

風邪に膀胱炎とヘルペスを併発させたあの子の体重は37キロになってしまった。なってしまった、と本人は言うけど、以前から40キロを切っていたように思う。あの子の家には体重計がない。いつもわたしに太れと言う。 滋養にいいものをずっと考えているのだけど…

軽快な戦慄

ドビュッシーとMJQとピクシーズをザッピング。雪のせいだろうか、引き延ばした夢のせいだろうか、薄暗い部屋の中でどうにも落ち着かない。 夢。真っ赤な口紅で唇を塗りつぶす。と同時に、白目も真っ赤に塗りつぶされてゆく。目のふちが熱を帯び、視界が赤く…

数子ちゃん曰く「来年から大殺界」

速攻で鏡リュウジを信じることにする。Tが今度中華街のよく当たる占いをおごるよと言うので、それなら中華を食べたほうがましだと答えた。

視覚だけの連続

スクリーンに蜿蜒と映しだされる夜のエンパイアステートビル。荒い画像は時折微かに歪み、プチプチという小さなノイズ音が混じる。固定されたカメラ。物語は完全に排除され、細かく震えるビルの光の粒子にかろうじて時が流れていることを知る。網膜は絶えず…

泡と光

Yがホストクラブへの軽蔑と憧れからクリスマスにはドンペリを! と言いだしたので、わたしもホストクラブへの軽蔑と妬みからバカクリスマス! と思ったが、別にドン・ペリニョンに罪はないので、「ワインのおかず」という本を眺めて前向きにシャンパンに合う…

午前4時の治療行為

コンビニ前のガードレールに座ってタバコを喫っていると、男が近づいてきて隣でタバコを喫いはじめた。マルボロのにおいがする。そんな気がする。そういえば、「味」の80%まではにおいによるものだって、本で読んだ。だから風邪をひくと味がわからなくなっち…

「君がこれから通るのはジャズで、最終的にボサノヴァへ行き着く」

これは5年前、新宿駅西口である男に言われた言葉だ。突然ナンパ風に声をかけてきた(「待ち合わせ? きっともう来ないよ」とかなんとか)その男は黒のスーツを着ていたが、その着こなしはどう見ても水商売のそれで、わたしの表情は不信感に満ちていたと思う…

「愛、あるいは恋愛は救いなんですよ。それでだいたいの病気は治っちゃう。」 坂本龍一 昨日の夜、雪が降りしきる彼女の実家で迎えてくれたのは、強すぎるリビドーを芸術に昇華させ快感を得るお父さんと、そのイノセントを聖母マリアのように受容してお父さ…

退行によるチル・アウト

すっかり忘れていたのだった。ブログを持っていたことも、そこに記された4ヶ月間も。嫉妬、怒り、堕落、狂気、暴力、憎悪、憔悴・・・・・・その中に愛が含まれていたのかは、もはや判然としない。未熟な自分の異常な執着や依存を、愛に昇華したいだけなのかもしれ…